
近年、新卒採用において「早期選考活動」を導入する企業が急増しています。
優秀な学生を他社に先駆けて確保できる有効な手法として注目されていますが、その一方で、学生・企業双方にとっての負担も指摘されています。
本記事では、早期選考の現状とメリット・デメリット、そして成功のためのポイントをわかりやすく解説します。
1.早期選考活動とは?その背景と現状
早期選考活動とは
早期選考活動とは、大学3年生の段階からインターンシップや座談会を通じて学生と接点を持ち、選考を前倒しで行う採用手法です。
正式な就活解禁を待たずに学生との関係を築くことで、優秀層を早期に確保する狙いがあります。
現状
学生の早期化傾向:株式会社ワンキャリアの調査(2025年)では、大学3年生の3月以前から情報収集を始めている学生が 42.9% に上り、8割以上が4月までに動き始めています。
(参考:合理的な就職活動「早期からの確かな情報発信」が採用成功のカギ)
企業側の前倒し傾向:2025年卒採用では、56.4%の企業が採用開始時期を早めた と回答しています。
(参考:42.4%の企業が、2025年中に27卒学生への内定出しを予定〜27卒採用を行う企業を対象とした「新卒採用活動に関する調査」を発表〜)
このように、学生・企業双方で早期化が進み、早期選考が新たな採用スタンダードとなりつつあります。
2.早期選考活動のメリット
2.1. 優秀層を早期に確保できる
競争が激化する前に学生と関係を築けるため、特に専門性の高い人材やリーダー候補を確保しやすくなります。
2.2. 学生との相互理解が深まる
接点期間が長くなることで、学生の企業理解・企業側の学生理解が深まり、入社後のミスマッチを軽減できます。
2.3. 採用スケジュールの効率化
早期に内定を出すことで、繁忙期に他業務へリソースを振り分けられるなど、採用全体の効率化が可能になります。
3.早期選考活動のデメリット
3.1.学生への負担増加
学業やインターンと並行して選考を受ける学生にとって、スケジュールの圧迫や精神的負担が大きくなる傾向があります。
3.2. 人材見極めの難しさ
早期段階では学生の成長途中であり、ポテンシャルや適性を正確に判断しづらい点があります。
その結果、入社後のミスマッチや内定辞退リスクが生じやすくなります。
3.3. 企業側のリソース負担
早期接触から選考、内定後フォローまでを通常採用と並行して行うため、人的・金銭的コストが増加します。
4.早期選考を成功させるためのポイント
4.1. 明確なターゲット設定
採用したい人材像を定義し、職種・スキル・志向・カルチャーフィットなどを分析した上で早期接触対象を絞ることが重要です。
AI分析などを活用し、自社で活躍している人材特性をもとにした設計が有効です。
4.2. 内定者フォローを徹底
早期内定者には、承諾後の不安解消が欠かせません。
・定期的な面談や懇親会の開催
・社内制度・キャリアパスの説明
・内定者同士のコミュニティ形成
など、入社までのエンゲージメントを強化する取り組みが効果的です。
4.3. 学生に響く差別化プロセスを設計
早期選考の魅力を高めるには、「体験型・共創型」の選考設計がポイントです。
実務体験ワークショップや社員との座談会など、学生が企業のリアルを感じられる場を提供すると、応募意欲が高まります。
また、オンライン選考を組み合わせることで全国の学生にもアプローチできます。
5.まとめ
新卒採用の早期選考活動は、優秀な人材を確保できる戦略的手法であり、採用活動の効率化にもつながります。
ただし、学生の負担や選考精度の低下といったリスクもあるため、
『ターゲット明確化』『内定者フォロー』『学生体験重視のプロセス設計』の3点を意識することが成功の鍵です。
早期選考を導入する際は、データに基づいた戦略設計と、学生との丁寧なコミュニケーションを両立させることが重要です。
株式会社エスプールリンクでは、応募受付・面接代行から人材要件定義までを含む採用支援サービスを通じて、企業の採用戦略を多角的にサポートしています。採用活動の改善・戦略立案をご検討の際は、ぜひエスプールリンクへご相談ください。
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