企業に勤めていれば、一度は聞くことがある「採用」という言葉。
しかし、「採用」が何のことを示すのか、明確に説明できる人ばかりではありません。
この記事では、新任採用担当者や「採用」とは何を示すものなのかを知りたい人向けに、「採用」の基本や種別、手法などを詳しく解説します。
1.採用とは?
人事領域における「採用」とは、一般的に人事採用のことを示します。
その場合の採用とは、「自社にとって必要な人材を雇用するための活動」のことを示します。
少子高齢化に伴う労働力不足が悪化する今、自社にとって必要な人材を採用できるかは、
今後の企業の方向性自体を決める重要な項目と言えます。
なぜ・どのように・いつ・どういった人材を採用するかを明確化し、自社にとって必要な人材を探し出すことが重要なります。
2.採用の目的
採用を行う目的は、企業ごと、状況毎に大きく異なります。
採用を行うにあたっては、企業として何を目的に人材を求めるのかを明確化することが重要となります。
目的が曖昧なまま採用活動を行うと、応募者と企業との認識の違いが起きやすく、ミスマッチによる早期離職の原因となります。
具体的な目的としては、主に以下の3点です。
- 人手不足解消のため
- 自社の課題を解決するため
- 事業拡大のため
まず、退職や異動・業務繁忙により、生産性が担保できていない場合があります。
こういった際に行うのが、人手不足解消のための採用です。
働き方改革の流れにより、近年ではワークライフバランスやコンプライアンスが重要視されることがあります。
人手不足の状況では、残業時間の増加や生産性の低下が起こるため、そういった部分は大きく損なわれます。
企業としての生産性確保のためのみならず、企業ブランドとしても人手不足は解消していく必要があります。
また、企業が持つ課題は、時代の流れや事業・経営の規模などによって、様々移り変わります。
課題を放置したままでいると、企業としての生産性を確保できません。
素早く課題を解決するために、課題を解決できるスキル・経験を持った人材を雇用し、直接での課題の解決を目的としての採用です。
最後に、企業の成長のための事業規模拡大や、硬直・低調からの脱却のための新規事業開発など、企業として事業の範囲を広げる場合、広げた範囲に対応するだけの人材を採用する必要があります。
合わせて採用する人材も誰でもよいわけではなく、管理職や営業、バックオフィスなど、様々なスキルを持つ人材を採用していかなければなりません。
3.採用の種別
採用を行う目的が決まれば、実際の採用活動をどのように行っていくかを決められるようになります。しかし採用活動と一言にいっても、実際には様々な採用の種類・方法があります。目的にあわせ、自社にどの採用方法が合致しているのかを確認することが重要となります。代表的なものとして、下記8つがあります。一つ一つ解説していきます。
3-1.ハローワーク
ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する公共の職業紹介サービスです。
無料で求人を掲載できるうえ、ハローワーク経由の採用では助成金が支給される場合もあります。
コストを抑えて採用できるという大きなメリットがある一方、高度なスキルを持つ人材は利用しない場合が多く、スキルや経験を目的とした採用に適しているとはいえません。
3-2.就職・転職サイト
就職・転職サイトは、求人情報を企業が運営するWebサイトに広告として掲載する手法です。
総合型のサイトから専門型のサイトまで多様で、自社のターゲットに合わせた求人広告の掲示が出来ます。
しかし、ハローワークとは異なり、求人の掲載自体に費用が発生します。
料金体系としては、掲載課金型と成果報酬型の2つがあり、掲載課金型は広告掲載時に費用が発生し、成果報酬型は採用時に成果に伴った報酬を支払う形式を指します。
Webサイトでの掲載となるため、居住地に関らず様々な求職者をターゲットと出来る採用手法ですが、掲載自体か成果に対し費用が掛かるため、自社の目的に合わせどちらを選択するか考える必要があります。
3-3.求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、インターネット上の求人情報を収集し、検索結果として表示するものです。
一般的な検索エンジンと同様に、求職者が自分の求めているものを検索し、それにマッチされる求人が表示されます。
低コストで求人を発信でき、求職者と企業のミスマッチが起きづらい採用手法ですが、求人が上位に表示されなければそもそも求職者の目に留まらない点がデメリットとなります。そのため、検索順位を向上させるため課金することが一般的です。
課金形態としては、クリックされた数に応じて費用が発生するクリック課金型が一般的で、クリック毎の単価を上昇させることで検索順位が向上する場合が多いです。
3-4.求人広告
求人情報誌や新聞などの紙媒体で広告を出す手法です。
地域のスーパーや公共施設などにフリーペーパーとして発行されているものが多く、地域密着型の採用に向いています。
ですが配布エリアが限られるため、求職者の目に留まる機会が少なく、応募者数を確保しづらいデメリットがあります。
3-5.ダイレクトリクルーティング
求職者が求人をみて応募するのではなく、逆に企業側が求職者に直接アプローチする手法をダイレクトリクルーティングと呼びます。
企業から求職者に直接声をかけるため、自社にとって必要だと感じた人材にピンポイントでの採用が可能となりますが、多くの求職者にアピールするには不向きとなります。
3-6.人材紹介
人材紹介会社から自社が求める要件に合致した求職者の紹介を受ける手法です。
自社の要件に合った人材を効率的に採用できますが、その分コストは高くなります。
料金形態は成功報酬型であり、紹介してもらった人材の採用が決まった時点で費用が発生します。
3-7.リファラル採用
現在自社で働いている従業員から紹介によって採用する手法です。
自社の事を理解している従業員によって求職者は紹介されるため、ミスマッチによる早期離職の可能性を低くすることが出来ます。
紹介した従業員・求職者にインセンティブを支払う場合もありますが、採用活動自体には費用が発生しないため、コストを抑制できるメリットがあります。
3-8.ソーシャルリクルーティング
SNSを活用し、求職者にアプローチする採用手法をソーシャルリクルーティングと呼びます。
自社の採用アカウントを開設し、自社の魅力を伝えていくことで、認知力向上や直接の採用に繋がります。
SNSの特性上、若年層にアピールしやすくありますが、効果を出すためのアカウントづくり自体が難しい場合が多く、運用に手間がかかる点がデメリットです。
採用をより深く理解し、自社に必要な人材を見つけ出そう。
採用とは、自社にとって必要な人材を雇用するための活動を示します。
自社がどういった目的で、どういった人材を、いつ、どの程度の人数、どこに採用したいのか。
そういった要件を明確化することで、ミスマッチの起こらない、優秀な人材の採用を叶えることが出来ます。
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